平常業務に戻りたいけれど
 | 朝8時半、予想以上にJR高円寺駅が混んでいる。改札口規制で、ホームにあがることもできない。放送によれば、もう30分以上、電車が来ても、数人も乗れない状況が続いているという。
焦ってもしょうがないので、じっくり構えて、10時過ぎに秋葉原メインキャンパスに到着。私鉄各線とJRには、停電が無いオペレーションを望みたいね。
さて11時から、本学の最後の入試。昨日、受験生すべてに連絡がとってあり、来れなければ追加で入試を行うことは伝えてある。受験生も、この時期なので数人だ。
午後1時に終了。午後2時、皆でセカンドキャンパスへ行き、図書スペースで落下した図書や、書庫で飛び出た雑誌類を元に戻す。作業もあっという間に終わった。
これで気持ちは、もう平常に戻れるという感じなのだが、電力事情と交通事情がそれを許してくれない。復興のためにも、日本のGDPの約三分の一を担う東京とその近郊が、元気に経済活動をしなくてはならないはずだ。
学長として、今回の「東北関東大震災」について、個人的な思いを含めてコメントを作成。以下のようになった。
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「東北関東大震災」に思う
2011年3月11日、観測史上最大級マグニチュード9.0という巨大地震が東北地方沿岸部、関東地方北部に、想像を超える災害をもたらしました。行方不明者の方々、亡くなられてしまった方々も、まだ増えている状況であります。ここにデジタルハリウッド全スタッフを代表して、被災された皆様に、心よりお見舞いを申し上げますと同時に、亡くなられた方々へ深い哀悼の意を表します。
さて「東北関東大震災」と名付けられたこの未曾有の天災は、私に人が築いてきたもののもろさを改めて感じさせはしましたが、だからこそ、人はさらに前進しなければならないのだと、強い思いも沸き上がってまいりました。
私は20年ほど前に一般の方々では入ることができない原子力発電所の中をヴァーチャルリアリティ技術で、見て回ることができるというマルチメディアコンテンツを制作したことがあります。そのとき何十にも安全策が考えられている仕組みに大いに感銘を受けました。しかし、今、専門家の予測を超える事象が起きたということになります。
人の知は、まだまだ足りていない。それぞれに偏在している専門家の知識だけでは、人類が今後、生き延びるだけの知恵を持っていないということでもあります。教育・研究に携わるものとして、自分のできる仕事をさらに真摯に取り組むことが、今、私に、そしてデジタルハリウッドが、未来のために出来ることだと確信しております。
海外のマスメディアが、大地震後の日本国民の秩序ある行動に大きな賞賛を送り始めています。漫画、アニメに大人も夢中になるということから、子供っぽいと評されることもある現代日本文化は、じつはありとあらゆる表現を行うことができ、またそれを受け入れることができるという大きな器を持っています。こういう時にこそ、創造的なイマジネーションが必要ではありますが、私たち日本人はそれをすでに持っているのです。
希望ある未来へ、ひとつひとつ課題を丁寧に美しく解決し前進していきましょう!
真のCool Japanとなるために。
デジタルハリウッド大学・学長 杉山知之
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夜9時、家路に着く。中央通り角のソフマップも電飾を消し、あたりは街灯の光だけだ。秋葉原駅周辺には、つくばエキスプレスへの長い行列がUDXビルの脇にまで伸びていた(写真Click!)。誰も文句も言わず整然と少しづつ進んでいく。今日は寒くなくて良かった。
信じられないほどのインパクトが、あらゆることに及び初めている今、それでも事実に背を向けることなく、正しく生きたいね。 |
Posted by
mojosgy
at
23:00
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