December 16, 2010
SIGGRAPH ASIA 2010 2日目
8時半、ホテルのビッフェで朝食。9時半のExhibitionオープンに合わせてCO-EXのLevl 3のSIGGRAPH ASIA 2010の会場へ。 Exhibitionの会場は、それほど大きくない。とりあえず中央は、NVIDIAとCHAOSGROUPのV-rayとIntelの3つのブースが押さえているが、今回のスポンサーでもあるLucusfilm Animation Singaporeのブースも目立っている。 全部のブースをさらっと見たところで、11時、すぐに北側の大ホールへ移動。Exhibition会場からは、5分ぐらい歩く。けっこう遠い。 ちょっとオープニングセレモニーが終わったところに着く。まずはFeatured Speaker。講演者は、McLaren AutomotiveのデザインディレクターのFrank Stephenson氏だ。 Stephenson氏は、ヨーロッパで活躍するアメリカ人のカーデザイナー。まずは、一番、最近の仕事であるMaClarenが2年後に発売する、F1テクノロジーをつぎ込んだスポーツカーMP4-12Cの紹介。 いきなりスクリーンいっぱいに流れたのが、F1ドライバーであるルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンが、MP4-12CをGoodwoodサーキットでテストドライブを楽しそうにする映像。これは楽しめたね。 その後は、自分の生い立ちから、パサデナのデザインスクールでの経験。そして最初の仕事であるヨーロッパのFORDでのEscortのデザインから始まるStephenson氏が携わった車の話。 FORDの次にBMWに移り、まずはX5のデザインを不眠不休状態で6週間でやらなければならなかったとか、そして次に氏が手がけたのが、MINI復活という難しい仕事。コンペで勝ったとのこと。1959年のデザインのまま、ずっと生き残ったMINIを、BMWが現代のminiとして、どのように仕上げるのか? 氏は、普通のシリーズが辿るように10年づつ時を進めてデザインをして90年後半のデザインまで持ってきたのだそうだ。面白い手法だね。 そのminiが実際に世に出る前に、引っ張られたのがFiatグループ。ここで氏は、なんとMaseratiとFerrariを担当。最高の気分だったそうだが、そこで移動の命令。次に託されたのが、チンクエチェントとして知られるFiat500の復活。このモデルは、現在、日本でも大成功を収めつつあるね。 そして、しばらくAlfa Romeoを担当したのだそうだが、これは氏にとっては、うまく行かなかったとのことで、そこにMcLarenからのオファーということで、現在に至るとのこと。 そして、最後に、車の初期のデザインから、未来のデザインまでを概論的に語ってくれた。終了予定時間を30分も伸びての講演だったけれど、まだまだ、ぜんぜん話し足りないという様子だった。 ぼくは、SIGGRAPHに来ていることを忘れて聴いていた。車好きにはたまらないカーデザインの話、満載だった。 その後は、Exhibitionに戻り、ブースをくまなくチェック。さすがに韓国でCGを教える大学が、軒並みブースを出している。日本からは、神奈川工科大学がブースを出すだけでなく、スポンサーにもなっていた。 ちょっと面白かったのが、プリビズのセットとして開発されていた地元のETRIのバーチャルカメラとミニチュアのセット(写真Click!)。 もちろん誰もいないけれど、ちゃんとライティングされた模型のセット。ここをマーカー付きのバーチャルカメラで覗くと、そこにCGキャラクターの観客たちが踊りまわり、ステージには、ちゃんとバンドが演奏しているのだ。PV制作に使ったとのこと。これ面白かった。 午後3時15分からは、Exhibitionの中の会場での展示者による技術解説トークを観る。トークするのは、昨日、デジタルハリウッド大学を訪ねて、小倉先生たちにデモをやってくれたというフランスBakery社のJean-Charles Hourcade会長とErwan Maigret CEO/COO(写真)。 彼らが紹介するThe Bakeryは、出来たばかりのレンダラー。ベータ版の配布を始めているところ。かのPixerでもデモを行い、拍手喝采だったとのこと。でもフランス人らしく、今日のプレゼンは、とても地味。聴いている人も、10人ぐらいだった。 このレンダラー、とにかく早くてリソースを食わないのが特徴。なんでも最初から計算するのでは無く、すべての計算結果をとっておくとのこと。これって、現在のPCの広大なメモリー空間と計算スピードを前提としてのアプリだね。 インターフェースとしては、常にファイナルの状態を表示しながら、その途中経過のレンダリングのパイプラインに戻って、例えばスペキュラーだけとか、そこだけ、やり直して、またすぐに結果を見ることができる。これが早い。Lighterの人が見たら欲しいと言うだろうね。 午後7時、大ホールへ。SIGGRAPH名物のElectronic Theater。全部で29作品が選出されていた。アメリカのSIGGRAPHだと、アメリカの作品が多いという印象なのだが、ここではヨーロッパが多いという感じがした。 終わったら午後9時半過ぎ、カフェテリアなども、もう閉まっているので、ホテルの部屋のルームサービスで、パスタを頼んで夕食にした。 さて、Electronic Theaterの国別を数えてみたら、USA 5、UK 4、France 4、Germany 4、Japan 4、Hungary 2、Poland 2、New Zealand 2、Israel 1だった。もう1つは技術論文のトレーラーなので各国からのもの。 ということで本日終了。 |
Posted by
mojosgy
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23:30
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この記事へのコメント
写真のお二人は、フランスのベーカリー社(レンダラーの開発会社)の方ですね!
先日、説明を受けましたが、非常に優れたリライト&レンダラーソフトでした。
特徴は「メチャクチャ早いレンダリングスピード」で、今までの常識を覆すと思います。
いさく
先日、説明を受けましたが、非常に優れたリライト&レンダラーソフトでした。
特徴は「メチャクチャ早いレンダリングスピード」で、今までの常識を覆すと思います。
いさく
Posted by
イサク
at
December 17, 2010 09:41