February 10, 2009
学生の就活に思うこと
午前中、アポをこなした後、秋葉原メインキャンパスへ。 午後1時、東大の羽倉先生たちと大学院スタッフで、3D立体シネマ教育プログラム検討委員会。まずは、プロフェッショナル向けの講座の開発を検討することとした。 立体映像による映画の歴史は、すでに100年。これまでも、時にブームになり、また忘れられていったというような歴史を積んできている。 近年、撮影機材の進化や、CG映像との合成の精度が飛躍的に高くなり、また目の疲労を軽減するノウハウも積まれてきている。また映画館でのデジタルプロジェクターでの映写も普及し始め、ハリウッドからの立体シネマ作品が、どんどん増える傾向だ。 午後3時から、折目院生と修了制作に関してのミーティング。ぼくが指導した院生の発表会は21日となっており、いよいよ大詰めだ。 今日は、そのままメインキャンパスのホールに設置されているテーブルで、仕事を続けた。春休みなのだが、就活をしている学生たちが、基地のように使っているので、彼らの話を聞けるのが良いのだ(写真Click!)。 日本は、開国以来、あらゆる面で欧米を見本にしてきたことがある。教育制度も企業経営も同様だと思う。そして、最近では、グローバル・スタンダードという観点での標準化も、日本社会に受け入れられてきていると感じる。 さて、大学生の就活だが、欧米では、というか世界では、大学生の就活は、卒業後から始まるのが、ごく普通だ。一般にトップレベルと呼ばれるような大学の学生は、卒業後に、数ヶ月かけて海外旅行をして、それからじっくり就活に入るというようなことが、まったく珍しくない。 つまり就活だけは、日本は、まさに独自システムだ。3年の後期からエントリーシートをいかに書くかを練り、この時期すでに役員面接まで進んでいる学生もいる。 優秀な学生を早く確保したいという気持ちは、ぼくも企業経営者のひとりだから、良くわかる。しかし実態は、優秀な学生は、結局、多くの内定を獲得してしまう。そして、そのような学生は、就活をやめない。次々と難関と呼ばれるような企業をトライするので、結局、就活期間は、それなりに長くなる。企業も、内定者の囲い込みのために、イベントをやったり課題を出したりする。結果、学生たちの大学への帰属意識は、薄れてしまうのである。 ぼくの30年ほどの大学教員経験から言えば、大学生は3年後期から卒業に至るまでぐらいで、専門性をつけるという意味では飛躍的に伸びる。その時期の大半が就活に費やされるのは、日本社会の健全な発展という長期スパンで、ものごとを考えたときに、じつは、もったいないことだと思うのである。 さてデジタルハリウッド大学には、専門性を身につけてから、次への展開を考えたいという学生たちもいる。彼らは、今、一度提出した卒業制作をさらに卒業制作展のため、または、それ以後に応募するコンテストのためにブラッシュアップする作業に入っている。 学生が大学での学習や活動を通じて身につけた力で、制作物を作り上げ、その評価により、就職先が決まっていくというプロセスは、例え卒業式までに就職先が決まらなかったとしても、ちゃんと大学として応援していかなければならない道だと、ぼくは思っているのである。 夜7時からは、ぼくの大学院時代の友人夫妻と夕食。もう彼女とも30年以上、友人だが会うのは、1年に一度ぐらいだ。ぼくには、どうも細く長くという感じの友人が多い。旦那さんがアメリカ人で、2人とも国際的に活躍する航空機騒音の研究者だ。 レストランは、「サンポウ東京」。彼女の中高時代の同級生という方もいらして、4人で食事が始まった。 友人からは、スペイン料理と聞いていたのだけれど、確かに本店はスペイン。しかし、実際は、スペイン料理から発展したモダンな創作料理の数々だった。最期のデザートプレートも楽しかった(写真)。気がついたら0時になっていた。 |
Posted by
mojosgy
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23:59
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この記事へのコメント
海外の就職活動はどうなんだろうって、気になっていました。
参考になりました。
そして、卒業後の資金ってどうしているんでしょうかね。
参考になりました。
そして、卒業後の資金ってどうしているんでしょうかね。
Posted by
みか
at
February 12, 2009 15:20