帰国・SIGGRAPH感想
| 11時間半のフライト。機内で、今回のSIGGRAPHについての考えた。
まず、参加者たちに、ここ数年より活気がある感じがした。ひとつの原因は、アメリカの映画産業が、どんどん立体映像に力を入れているからだ。
フルCGアニメーションの映画は、もちろんのこと。実写の映画についても、大型の映画は、現場で立体で撮影され、CGとの合成で、立体映画として上映されることが急激に増えているのだ。これまで全米で900館と言われてきた立体対応の映画館は、このクリスマスシーズンまでには3000館に拡大するとのこと。
このような流れの中で、今まで立体映像は、眼が疲れるという欠点があったのだが、その原因と対処法がかなり誰にでも利用できるノウハウとして積み重なってきている。今回のSIGGRAPHでも、そのへんのテクニックが数々発表され、それらのセッションには、非常に多くの参加者があった。
実際、ぼくもいくつかのセッションを覗いたが、これまでの90度回転させた偏向グラスを使うタイプの映像上映方法で、しっかりとした技術が確立されていると感じた。立体映像を自在にコントロールするには、もちろん、デジタル映像処理で行うことになり、ますますSIGGRAPHの守備範囲というわけだ。
また数年前は、DVD普及に伴い、アメリカで映画館に行く人が減少傾向にあるため、その対策としても、立体映画上映で、映画館への来場者を確保していこうということが言われていた。しかし、大容量のBlu-rayディスクが次世代のディスクとして決定的になったことで、容量が2倍必要な立体映像の記録ディスクとしての役割も見えてきた。家庭用立体シアターも可能というわけだ。
このような流れで考えると、ますます世界のCGスタジオやVFXスタジオの仕事量は増えて行くわけだ。事実、今回のSIGGRAPHでも、世界のいろいろなタイプの制作スタジオから求人ブースが出ていて、どの企業も優秀な人材の確保に真剣になっているという感じを受けた。
今回、実写映画のメイキングのセッションをいくつも覗いたが、ぼくが思っているより、遙かに多くのカットが、CGとのコンポジットで出来ていた。ほぼ、アップで登場する役者以外は、すべてCGと言えるぐらいの状況だ。ここまでCGでやってしまうのだなと感心した。ぼくも専門家の端くれではあるので、みなさんが本当のことを知ったら、もう実写映像なんて無いんだと思われるかもしれない。
さて、そんなことを考えているうちに、午後2時半、成田に着陸した。予定より25分ほど早かったとのことで、駐機するゲートが無く、20分ほど機内で待機とのなった。
ツアーは、トランクをピックアップする回転台のところで、流れ解散。今年も添乗はJTB菊池さん、同年齢という小倉先生といっしょに記念撮影(写真)。
その後、地下にスタバで、アイスラテを買って、そのままNEXのホームに降りた(写真Click!)。やっぱり、スタバは、日本のほうが美味しいと思う。そのまま新宿まで乗り、高円寺に戻ったのであった。 |
Posted by
mojosgy
at
22:30
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